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その2(こらむ)

オーバーフロー

2003/08/22

 世間ではオーバーフローという言葉を、まるでろ過システムかのように使っているように感じます。 「オーバーフローならろ過はバッチリ」なんて言葉を耳にしたりしませんか? 大間違いです。

■ ろ過方式の呼称ではありません

 オーバーフローとは水の循環システムであって、ろ過方式ではありません。 (語意としては「溢れる」ですけど、あくまでもアクアリウム用語として)

 オーバーフローに使われるろ過方式は千差万別、あらゆるろ過方式が適用できます。 だってそうですよね?下にもう1コ水槽があるだけですから、 そこでどんなろ過をするかでろ過方式は変わるのです。 底面だって、外部だって、上部だって、水中式まで適用できます。

 通常、水槽を2段にして、上を飼育水槽、下をサンプと呼ばれる予備タンクのようなものとします。  例えば、飼育水槽を90cmとし、サンプに60cm水槽を使ったとしましょう。 サンプに底面式ろ過を施した場合、非オーバーフローの90cm水槽での底面式ろ過にろ過能力は劣ります。 簡単ですね。他のろ過方式でも同じです。
 強いてろ過に絡んだ話にしようとすると、水が落ちる途中にドライタワーを設け易いので、 それなりのドライタワーなら、 それなりのろ過能力と立ち上がりのスピードアップを期待できるでしょう。

メリット
 オーバーフローのメリットを挙げてみると、
  • 水量の確保による水質の安定度アップ。
    ただし、それなりのサンプの大きさが必要。
    (90cmメイン・60cmサンプの場合、1.3倍程度の水量アップにしかなりません)
  • 様々な器具類をサンプに設けられるため、飼育水槽がスッキリし易い。
    ただし、本当にその器具類が必要かどうかは別の話です。
  • メイン水槽と切り離して濾過層の清掃、水換え等もサンプで行えるため、 生体へのショックが少ない。
    ただし、やり方にもよる。
これくらいでしょうか?

 これらのメリットの大きさは人によって違うと思いますので、 あとは各人で判断すべきです。

少なくとも「オーバーフローだから強力ろ過」には騙されないで下さい。

■ ついでに「ろ過」について

 さて、世間では「〜ろ過が強力」なんて話で盛り上がっているところもあるようですが、 実際のところ、一般魚飼育では必要以上のろ過は必要ないんです (なんか「馬は牛じゃないんです」と同じレベルかな?)。 心のよりどころが欲しいのであれば仕方ありませんが。

  • 一般魚であれば、上部ろ過(ろ剤はスポンジ・繊維系)程度で充分。
  • 補強したければ、ろ剤をセラミックなどの多孔質なものにする。
  • 強力にしたいのであれば、底面ろ過にする。それ以上は必要なし。
  • 他のろ過方式は、それぞれの環境に応じて使い分ける。
  • 複数のろ過はパラレルなら良いが、シリアルには接続しない。

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